吸血鬼と歌姫と
「美玲、幸せか?」
「うん、とっても。夢みたい。」
「なら、良い。
向こうに帰った甲斐があった。」
ルキの温かい手が私の頭の上に乗る。
「私も待った甲斐があった。
遠回りしたけど...やっと会えたね。」
「思い出したのか!?」
「ん?何が??」
「いや、何でもない。」
ルキが花束を拾い上げて、私に手を伸ばした。
「美玲は夢を歌い続けろ。
俺様が応援してやる。」
少し震える指先で、ルキの手を掴んだー