吸血鬼と歌姫と
「へー。」
と納得したのか、娘は向こうの部屋へ行ってしまった。
「ちょっとパパ!
適当なこと教えないでよ。」
「適当ではない。
俺と美玲で証明されただろう?」
随分と短くなった髪を掻き上げる彼。
「それよりも美玲。
パパでないルキだ。」
「どうしてそんなにこだわるの??」
「それは名前を褒めて貰ったからだ。
前の...ミレイに。」
"ルキさん、素敵なお名前ですね"
ふと誰かが言った気がした。
「分かった...ルキ。」
私が頷くと同時に
「るきーー!」
と娘がルキに抱き付いた。