吸血鬼と歌姫と
「ルキではないパパだ。」
今度は逆を言って、娘を困らせるルキ。
「パパ、私も王子様と結婚する!」
「そうか。
なら、歌が上手くないと王子様は捕まえられない。」
「大丈夫だよ!
だって、ママもお歌が上手だもん。」
ねー?と娘が私を見る。
娘を産んでから、私は大きなステージから姿を消した。
だけど月に一回、例のJazz Barで歌っていた。
『In A Sentimental Mood』は必ず歌うせいか、娘も口ずさむようになった。