吸血鬼と歌姫と


「貴方は外国から来たの?」


フォークを置いて彼が私を見る。



「貴方ではない、ルキだ。
もう忘れたのか? 馬鹿だな。
それに外国とは何だ?」



やれやれと溜息をつかれた。


すっごくムカつく。




「外国を知らないルキの方が馬鹿だよ」



「だから、外国とはなんだ!?
それに様をつけろ。ルキ様と呼べ。」




出たよ、俺様。


「んじゃあ、ルキは海の向こうから来たの?」



ルキ様なんか絶対言うもんか。


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