吸血鬼と歌姫と
「どうして、そんなことしてくれるの?」
気になったので訊いてみた。
「勿体無いからだ。」
「え??何が?」
「綺麗な歌声でも人に聴いて貰わなければ何も生まれない。
聴いて貰わなないと、相手の心に触れることも出来ないだろう?」
自分の歌声が綺麗だとか
自分の歌声が相手の心に触れるとか
思ってもみなかった。
いや、
思える立場じゃないと思ってた。
だけど、
この時は自信満々にルキに言われて
いつかそんな日が来る気がした。