吸血鬼と歌姫と


歌い終わってルキを見た。


「ど...どうだった?」


人に自分の歌の感想を聞くなんて初めてだ。


「良い歌だ」


喧騒の中でルキの声だけは
はっきりと私に届いた。

私の歌声がルキに届いたように....



「良かった〜」



ルキがすっかり安心した私に


「俺に対しての歌か?」


と訊いた。



「そ、そんな訳ないでしょ!?」


なぜか動揺してしまった私。

図星みたいになっちゃうよ。



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