吸血鬼と歌姫と
「そうムキになるな。冗談だ。」
冗談?! ルキが?!
心臓に悪いから本当に止めて欲しい。
「よく出来ました。」
そう言って私の頭をクシャクシャにする。
「ちょっ...ちょっと!!」
全身が熱くなったのが自分でも分かった。
「子供扱いしないでよね。」
軽くルキを睨む。
「俺の方が俺よりずっとお前より年上だ。じゃあな、ミレイ。」
それだけ言って
人ごみに紛れてしまった。
...ずっと年上とか絶対、嘘だ。
見た目的にはそんなに変わらないし。
ルキは何歳で、どこに住んでいて、どんな仕事をしてるんだろう?
ルキへの探究心を感じながら
その日は歌い続けたー