吸血鬼と歌姫と


「...あの子、ルキに騙されてるよ」


帰って行く後ろ姿を見ながら呟く。




「どの口が言っているんだ?」


ルキが片手で私の両頬を掴む。



さっきから人の頭に手を乗せたり、
人の頬を掴んだり...

クセですか?
この俺様ルキ!!と思いながらも、


「ふふぃふぁせんでした。」


タコの口にされたまま謝った。




「心がこもってないが許してやろう。」


ルキが頬を解放してくれた。

...心の中、読まれちゃってるよ。



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