吸血鬼と歌姫と


「昨日はごめんね?」


ルキと見つめ合っていると
自然と言葉が出た。



ルキは少し驚いた顔をしたが、
すぐに柔らかい顔になった。



「構わない。
俺も忙しいお前を頼って悪かった。」



あぁ、そっか。


ルキは例の人探しを私にお願いしたから、私が逃げたんだと思ってるんだ。


確かにあの状況からして、そう思わなくもない。


でも、何か違う。

私の中ではそんな理由で逃げたんじゃない気がした。
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