吸血鬼と歌姫と


「ごめん。ありがとう。
私にも何で泣いたのか分かない。」


そっとルキの胸を押して、身体を離した。

私、こんなに涙もろかったっけ?

最近、情緒不安定なのかな。



足元にはぐちゃぐちゃになったケーキ。


慌ててそれを拾って、倒れた自転車を持ち上げた。



「ごめん、今日は疲れてるから...」


ルキに精一杯の笑顔を送って、
その場から去ったー





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