吸血鬼と歌姫と


「不安なら、俺の為に歌え。」



トンと私を壁まで追い詰めて、
壁に手をつくルキ。



「ルキのために?」



「そうだ。
客じゃなくて俺様だ。
分かったか?」



顔を近づけて私に確認を取る。


ルキの吐息が顔にかかる。



私が激しく首を縦に振ると

「んじゃあな。」

と楽屋を出て行った。


な、何?
今の...


ペタンと膝からその場に座り込んだ。
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