吸血鬼と歌姫と
「次が最後の曲になります。
良かったら聴いてください。」
気が付けば最後の一曲。
楽しい時間ほど一瞬だった。
ルキの為に作った歌。
お客さんの為にも歌うけれど、
1番に届けたいのはルキだった。
歌いながらルキを見ると、
目を閉じたまま聴いてくれていた。
この一曲が終わる頃、
初ライブが終わる頃、
私は変われる気がした。
ルキが私にしてくれたみたいに、
ルキの為に私が出来ることをしよう。
でも、悔しいから私の想いはこの歌に隠しておこう。
これまでに無い、割れんばかりの拍手を貰って、私の初ライブは幕を閉じたー