吸血鬼と歌姫と
「何時にする?」
「夕方からが良い。」
少し段になっている歩道の上を
両手でバランスを取りながら歩いた。
「それじゃあ、長い時間捜せないよ?」
「俺は朝が苦手なんだ。
それよりミレイ、危ないから降りろ」
私の足元を指差すルキ。
「大丈夫だよ。
てか、朝が苦手なの我慢しなよ。」
「死んだらどうするんだ。
吸血鬼は朝が苦手なんだ。」
「うわっ!」
ルキせいでうっかり足を踏み外した。
「っセーフ...」
ルキが私の腕を掴んで支えてくれた。