吸血鬼と歌姫と
次の日の夕方、
約束通りに公園に行った。
先に着いていたルキを
少し離れた所で見ていた。
本当に人間離れしてる...
ベンチに足を組みながら座っているルキ。
その横顔がどこか寂しそう見えた。
やっぱり会いたいよね...
今すぐ、逃げ出したい。
ううん、駄目だ。
グッと小さな拳を作って、
ルキに近づいた。
「ごめん、お待たせ。」
私に気づくと私の座る場所を作ってくれた。
「待っていないから、早く座れ。」
素直に従うことにした。