吸血鬼と歌姫と



ルキが私を見つめる。


隣同士で座っているせいか、
いつもより距離が近く感じた。



「前にも言ったが、教えてやろう。

空から来て大切な女を捜しにきた。」


またか...この話。



「何?吸血鬼の世界のこと?」


鼻で笑ってから尋ねた。



「よく分かってるじゃないか、ミレイ。」


予想外の反応。

ここまで来たらイタイ人だな。



「本気で言ってる?」


「まだ俺様を疑っているのか?
こんな価値のない嘘なんかつかない。」


嘘をついてる感じはしないんだよなぁ...



取り敢えず、半分は信じてみるか。


じゃないと話が進まない。
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