吸血鬼と歌姫と



「俺が殺したんだ...」


紡ぎ出された言葉。




私はただルキの横顔をじっと見続けた。


初めてルキを見たような気がする。


こんなにも遠かったっけ?


随分と彼は大人だった。




「守れないなら...離れるべきだった。」


絞り出された声。


「俺が愛さなかったら、アイツは夢を叶えてたんだ。」


"愛さなかったら..."

この言葉にすら、
嫉妬してしまう自分が嫌だ。


彼女はどんな風に歌って、どんな風にルキとの時間を過ごしたんだろう?
< 99 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop