吸血鬼と歌姫と
「俺が殺したんだ...」
紡ぎ出された言葉。
私はただルキの横顔をじっと見続けた。
初めてルキを見たような気がする。
こんなにも遠かったっけ?
随分と彼は大人だった。
「守れないなら...離れるべきだった。」
絞り出された声。
「俺が愛さなかったら、アイツは夢を叶えてたんだ。」
"愛さなかったら..."
この言葉にすら、
嫉妬してしまう自分が嫌だ。
彼女はどんな風に歌って、どんな風にルキとの時間を過ごしたんだろう?