君が残してくれたもの
誰も許してもらおうなんて、許してくれなんて思ってないし言ってもない。
「……」
無言で無表情で私は席を立って教室から出た。
授業中だったけど りっちやん先生は何も言わずにボーッと生徒たちの様子を見てた。
先ほどの女の子を傍に呼び寄せて。
…きっと怒られてるんだろうな。
行く宛もなかったけど、足は勝手に動くらしくて気付けば屋上にいた。
誰も居ない屋上。
グラウンドからは生徒たちの声が聞こえる。
…体育かな。
その声を聞きながら私は空をずっと見つめた。