君が残してくれたもの
芽生が悪いと思ってる。
が、この世に芽生も兄貴も居ねぇ。
だから他の何も知らねぇ奴は藍咲が芽生から兄貴を取ったから。
だから悪いと、死ぬに値する人間だと思ってんだろうな。
「なぁなぁ玲音」
「…なに」
「俺らって羽音ちゃんの友達だよな?」
まだ言ってんのか、こいつは。
「知らねぇよ。…藍咲が友達だと思ってんなら友達なんじゃねーの?」
「んー…じゃあさ、友達ならやることは一つ、だよな?」
こいつは何が言いたい。
「今から屋上行こう?」
「は?」
紫恩…お前は遂に馬鹿の中の馬鹿になったのか。
今から屋上なんて行ってたら律に切れられるだろうが。