君が残してくれたもの
「羽音ちゃーん。やっほー」
…見た目は物凄く妖艶な紫恩だけど喋ると子供だよね。
ギャップが激しいと言うか…裏表が激しそう。
悠希は見た目のまま俺様って感じがするし玲音は無愛想でクールっぽいもんね。
「サボり?」
「まーねー。授業分からねーし面白くない」
分からない面白くない…学校自体を否定してない?!
私は寧ろ逆かもしれない…分かるから面白くない。
学校のテストも問題も私には簡単すぎて授業になってない。
やるだけ無駄でやるだけ面倒。
「そう」
「一緒にサボる?」
「一緒には遠慮する。一人でサボるから。じゃ」
私は紫恩の横を通りすぎて屋上から出ようとした。
悠希は少し悲しそうに眉を下げたような気がしたけどそれを無視して…私は歩みを続けた。