ETERNAL LOVE







夏の静けさと 虫の歌声――

静かだけど 賑やかな音があたりを包む





「ただいまー…」



月明かりに照らされていた拓斗が ちょうど帰宅したところだった



「おかえりー」



上の階から 男性の声が聞こえる――





――新一か…


牛乳を飲みにリビングに向かう拓斗は 机にあるものをみた

それは ラップにかけられた 食事――


彼らの両親は共働きで 9時以降にならないと家に帰らない




だから毎晩 冷たい食事を食べている



ここ数年 家で温かい料理を食べていない

何度見ても 慣れない光景だ――


「…」




拓斗は食事から目をはなし 新一の部屋に向かって行った



階段を上るとき 彼の部屋から音楽が盛れ 拓斗の耳にも入って来た











そして…――



「新一…、ちょっといいか?」



勉強していた新一は いったん黒い縁の眼鏡をはずして 拓斗のほうに目を向けた



空気が重くなる――

目を合わせにくくなる――









しかし 拓斗の口が開いた…――















「おまえ、綾に期待させるようなこと言うな」
















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