ETERNAL LOVE












いつもより弱い日差し――

生暖かい風――

屋上から見下ろす町並み――



いつもと同じ風景なのに 今日は違って見えるんだ





理由はわからない


けど 違うんだ――











綾は ゆっくり屋上のフェンスに向かう



『…拓斗……』



彼にお礼を言わなければならない





だけど それと同時に不安があった――


――昨日 自分は

――新一に振られたんだ…




きっともう 笑って合ってくれることはないと思うと 胸が締め付けられるように苦しい







『――先輩……どうして…?』



涙が滲む――

涙が毀れる――



『やだ…、泣きたくない……っ…』




そう思っているのに 綾の涙は溢れ出るばかり…




『――…いつからこんな……っ…、弱くなったのかな……』







綾が手で顔を覆ったときだった――




誰かが腕で 綾の体を引き寄せた























「弱くなんかね―よ。おまえは――」







綾は ゆっくり振り返る

































彼女の瞳に映ったのは 紛れもない拓斗の姿だった――















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