ETERNAL LOVE
☆
朝の弱々しい日差しの中――
正門に吸い込まれるように入っていく生徒達
その中には 綾と拓斗もいる
彼女の足は だいぶ治り 自分の力で歩いていいほどに回復した
しかし 拓斗は相変わらず心配して いまだに家まで迎えに来てくれる
『ねー、もう歩けるからチャリで送ってくれたっていーよ』
「別にいーだろ?」
自転車をこぎながら なんだか不機嫌そうな声で 返事をする 拓斗
『別に、いーけど…』
「そんなに俺に迎えに来てもらうのが嫌なのか?」
『ち、違うよ!』
『とんでもない』と言わんばかりに 綾は即座に否定する
拓斗と一緒に登校するのが 嫌なのではない
ただ…――
「じゃー…、いーだろ?」
『うん…』
――彼の背中に抱き付きたくなってしまう…
――もっと近くに行きたくなってしまう…
――この胸の高鳴りが 止まらなくなってしまいそうで 少し怖いんだ――