桜廻る




(飛べる、飛べる飛べる……。大丈夫……!)




勢いをつけてジャンプ台に乗り、高く跳ねる。


……しかし。





「あ……っ」





飛び越えられず、ドンッと跳び箱に座ってしまった。


その途端、雅に好奇の視線が集中する。





「ぷっ……。何あれ、だっさー……」





なんて言う、杏奈の声が聞こえた気がした。


ぐっと唇を噛んで、跳び箱からおりる。


そして、また走り出した。


平均台、大きな網、タイヤ運び……。


他にもあったが、何とかそれらをよけて、雅はゴールした。


しかし結果は……最下位。





(やっぱ、私はダメだ……)





そんな事を考えながら、青軍が集まっている場所へ行く。




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