桜廻る




「きゃー!永瀬くーん!」


「頑張ってー!」





女子達の黄色い声が響きわたる。


雅も、祈るように手をきつく握る。


そして……。


パンパン!と、銃声が響いた。





《軍対抗リレー、第一位は青軍!続いて第二位は赤軍!第三位は……》





「きゃー!やったーっ!」





雅は、ほっと胸をなでおろした。


後ろの方では、皆ハイタッチをしている。





(良かった……。でも、凄いよ、永瀬君)





雅は、永瀬がいる所へ向かう。


永瀬は、ぐっしょりかいた汗を、首に巻いたタオルで拭っていた。





「ごめんなさい、永瀬君。あんなに教えてもらったのに、バトン落としたりして……」




< 115 / 419 >

この作品をシェア

pagetop