桜廻る
「……にしても、雅に土方君。やっぱりお似合いじゃないのか?幸せそうな二人を見ながらビール……。うん、いい肴(さかな)になるよ」
雅は、いつものお父さんだ……と、安心した。
……雅と土方の事を、勘違いしてるのは変わらないが。
「ねぇ、どんな約束したの?」
「それは教えられないなぁー!これはお父さんと土方君の秘密だ。なっ?土方君」
話を振られた土方は、はい、と頷いた。
「えー。土方さんも教えてくれたっていいじゃないですか!」
「はっはっは、まぁいずれ分かるよ。ほれ、土方君も飲むかい?未来の酒だ。今じゃないと飲めないぞ?」
「ちょっとお父さん!いくら時代違くても、土方さんだって未成年だよ!」
「ありがとうございます、お父上様。お気持ちだけ頂いておきます」
酔っても飲み続ける父を、雅は必死で抑える。
久し振りの、団欒だった。