桜廻る
「す、好きって……。えっと、あのっ」
「……ん?」
まだ雅を抱きしめたまま、土方は優しく聞いてくる。
「でも、私、土方さんに相応しい女なのかなとか、私みたいなのが土方さんに釣り合うのかなとか……。土方さんの事、私も好きなんですけど、あの、なんか私もよく分からなくて……っ」
そこまで言って、ハッとする。
土方は満足げな笑みを浮かべていた。
「俺の事が好きなのか?」
(思わず口走っちゃった……。でも、なんか、今日の土方さんいつもと違う!)
「恥ずかしがる事はねぇんだ。俺はお前が好きだ。お前はどうなんだ?」
「え、えっと……」
「今じゃなくても、いつでも聞いてやるがな」
「す……」
「……す?」
雅は、土方の胸に顔を押し付ける。