桜廻る
はい、と雅は頷く。
「俺はいつでも、お前の味方だからな」
「ありがとうございます、土方さん。私、頑張ります」
雅は、明るい笑顔を見せる。
最後の一発の花火が、打ち上がった。
「あぁ。頑張れ」
土方がそう言った、その時──。
チリン……。
「土方さん、今の聞こえましたか?」
「……あぁ」
あの鈴の音が、確かに聞こえたのだ。
雅はきょろきょろと辺りを見回し……。
「あっ!」
音源を発見して、思わず声を上げた。
その雅の視線を土方もたどる。