桜廻る





「部活、お疲れ様」


「あぁ。……それよりも、どうしてお前がここにいるんだ?」





永瀬は不思議そうに、雅を見つめる。





「あ……。何でもないよ」


「そういえば、上本もさっき来てたな……それから……」





永瀬はそこまで言い、ハッとする。





「……行くな、桜川。帰れ」


「え……っ?」


「いいから帰れ」





急にそんな事を言われ、雅は少し驚く。





「だ、大丈夫だよ」


「いや全然大丈夫じゃねぇよ。……ったく、そういう事かよ、上本……」




< 151 / 419 >

この作品をシェア

pagetop