桜廻る
「部活、お疲れ様」
「あぁ。……それよりも、どうしてお前がここにいるんだ?」
永瀬は不思議そうに、雅を見つめる。
「あ……。何でもないよ」
「そういえば、上本もさっき来てたな……それから……」
永瀬はそこまで言い、ハッとする。
「……行くな、桜川。帰れ」
「え……っ?」
「いいから帰れ」
急にそんな事を言われ、雅は少し驚く。
「だ、大丈夫だよ」
「いや全然大丈夫じゃねぇよ。……ったく、そういう事かよ、上本……」