桜廻る





その時、ピピーッと笛の音が鳴った。


……休憩が終わったらしい。





「絶対に行くなよ!桜川!」





何度も念を押される雅。


走り去っていく永瀬を見送る。





(行くなって言われても……。何で、行っちゃダメなの?)





雅の頭の中に、疑問符が大量に浮かぶ。





(でも、ここまで来て、帰るわけにはいかないし……。永瀬君には、悪いけど……)





雅はそのまま、体育倉庫への歩みを進めた。




< 152 / 419 >

この作品をシェア

pagetop