桜廻る




「そう思うんなら思えばいいよ。でも、やめて」




雅がそう言った途端……


杏奈は、銀色の何かを取り出す。





「……あんたさ、何自分で自分の墓の穴掘るような事言ってるの?」





杏奈はそのまま、それを雅の髪に当てた。


だが、雅は動かない。


もしここで少しでも嫌がったりしたら……笑われる。





「桜川、私はね……。あんたみたいな女が、一番ムカつくのよ!」







──ジャキンッ!







パラパラと、雅の黒くて長い髪が、床に落ちていく。


杏奈はそれを見てまた笑うと、ガシャンッ!と、ハサミを床に叩き落とした。




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