桜廻る
「……っ!」
視界がぼやける。
目を開くと、そこは、真っ白な空間だった。
「どこ?ここ……」
思わず独り言が出てくる。
……その時だった。
「ここは、生と死の狭間の世界です」
凛とした声が、空間の中に響く。
びっくりして振り向くと……そこには、さっきの猫がいた。
「……喋れるの?あなた」
「はい」
雅は一瞬言葉を失うが、すぐ冷静になって、口を再度開く。
「時空移動の方法……。もしかして、教えてくれるの?」