桜廻る
「土方歳三ですか!彼は新選組の副長で、戊辰戦争でも戦った人物です。子供の頃は農民でしたが、武士になりたいと強く願い……。その夢を叶えたすごい人ですよね。最後は銃弾に撃たれて戦死しますが、先生も大好きな人物の一人です。じゃあ、座っていいですよ。桜川さん」
(銃弾に撃たれて戦死……?)
雅の心臓が、ドクンと鳴った。
──……
───……
「雅ー。帰ろっ!」
「あ、うん!」
雅は、夏休み明けにできた友達の百合と並んで、家に向かった。
「ねぇ、百合」
「んー?」
「私、何か変な所ある?」
雅の突然の質問に、百合は目を見開いた。