桜廻る
「え?何急に。どした?」
「いや……。何となく」
「まぁ……。強いて言うなら、変なとこっていうか、どこか抜けてるのはいつも通りだよね」
「抜けてるって……」
そこまで言うと、百合はハッとした。
そしていきなりニヤニヤと笑う。
「なになに?まさか好きな人でもできた?」
「えぇ⁉何で⁉」
「だってー、雅、最近ぼーっとしてるもん。窓の外見てさ。何か隠してるんじゃないのー?」
「そんな事ないってば!」
「はーい、じゃあ雅の家で話し聞こうかな!」