桜廻る
体が密着し、雅の心臓が高まる。
しかし、今はそんな事を考えている暇などないのだ。
山崎の一件から、雅は反省していた。
油断は出来ない。
正直な所、もっと土方と一緒にいたい。
でも、怪我人がたくさんいて、土方も含めた皆が一生懸命戦っている中、土方といる事で呑気に浮かれてはいけないと。
戦が終われば……土方とずっと一緒にいられるんだと。
そんな僅かな期待を抱きながら、土方の体を支えた。
「よし、行くぞ」
そして新選組は、流山へ向かった。