桜廻る




それがしばらく続き……やがて、音が止んだ。


……まだ油断は出来ない。


こちらに向かってくる足音。


それが、敵か味方かははっきりしていないからだ。


しかし……。





「今回は敵の数が少なかった」





出てきたのは近藤、斎藤だった。


刀を鞘に収め、安堵の息を漏らす。





「そうか……。すまなかったな」





土方もほっと息をついた。





「食料も限られている。もう少しの辛抱だ、早く行こう」





近藤がそう言い、一行は再び歩みを進めた。




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