桜廻る
「馬鹿じゃねぇのか?あいつらは絶対かっちゃんを……!死に自ら頭を突っ込む気なのか?
……残った俺らをどうする気なんだ⁉」
「これが、局長として最後に出来る事だ」
土方が、思わず拳を握る。
本気かという土方の視線に、近藤はしっかりと頷いた。
「準備をしてくる。少しだけ時間をくれと……新政府軍に伝えておいてくれ」
近藤が斎藤にそう頼むと、斎藤は、信じられないといった表情で、まだその場に佇んでいた。
しかし……
「──斎藤!局長命令だ!早く行け!」
声を荒げる近藤に、背く事は出来なかった。