桜廻る
「はい?」
「やっぱり分からねぇ」
(やっぱりか……)
仕方なく、風呂場へと向かう。
「土方さん、服、着てます?」
中に入る前に、念の為、雅はそう聞いた。
「着てない」
即答。
数秒、沈黙が流れる。
「……は、早く着て下さいっ!」
危ない所だった。
次第に顔が赤くなっていくのが、自分でも分かる。
それから、数分後。
「雅、着替えた」
そんな声が聞こえてきて、雅は少し息をついてから、ドアを開いた。