桜廻る
斎藤が外に出た後……土方は、近藤の起こした行動がまだ理解出来ず、問い詰めていた。
「新選組から頭がいなくなってどうすんだよ!」
「……すまない」
近藤は少し頭を下げる。
少しの間、沈黙が流れた。
しかしその沈黙は、雅には長く感じた。
土方は近藤の肩に強く手を置いて、顔を上げさせる。
「かっちゃんが決めた事だ……。もう俺は何も言えねぇ」
「歳……」
「だけどな、近藤さん。あんたがいなくなったとこで、新選組は終わりゃしねぇよ」