桜廻る
「すまない……包帯くれるか」
見ると、額に切り傷が出来ている。
雅は慌てて手当てをしようとしたが……時尾の方が早かった。
「早く治さないと……」
……その時だった。
「し……新選組⁉」
周りが一気にざわめいた。
視線が、斎藤と雅の二人に集中する。
(何……?)
考えるより先に、再び声が降ってきた。
「会津のお預りになって、京で大暴れして……っ!だから、長州の人達から会津まで恨まれたんだ!旦那様が言ってた!」
「新選組のせいで会津は朝敵になった!そんなあんたたちが、何でここに!」