桜廻る
違う……!
そう言おうとして、思いとどまる。
──京での新選組を、雅は知らない。
でも……新選組は、理由もなく人を傷付けることなんかしない。
雅はそう信じていた。
「この……人斬り集団が!」
集中的に、非難の視線を浴びる。
時尾が口を開こうとした。
しかし、それを斎藤が手で阻止した。
──その時だった。
「そういうのは、やめた方がいいんじゃないですか」
そんな女の人の声が、聞こえてきたのは。