桜廻る




振り返ると、片手に1mくらいの鉄砲を持ち、少し睨むようにこっちを見ている。





「今は戦だ……。そんな事言ってる場合じゃないんじゃないですか⁉」


「八重さん!でも!」


「新選組も、戦ってくれてる!会津に恩を返すんだって!会津がいなければ、今の自分達はないんだって……!」





叫ぶ、この女の人……


八重の声に、静まり返った。





「これは皆の戦いだ。男も女も子供も、会津以外の者も関係ない……皆で協力しなければ、新政府軍に勝てない!こんな時に、言い合いはしないで下さい!」





しん……となったが、謝りはせず、女達は再び作業を開始する。




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