桜廻る




「だから、自分が敵を討ちたいんだって……会津は、強いんだと。そう言っていました」





雅は辺りを見回した。


怪我人の手当てをしている人はもちろん……


寒くないようにと、自分の着物をかけてあげている女の人。


鉄砲の玉を作っている人……。





「会津は、最後まで諦めませんよ」





頑固ですから、と時尾は笑った。


そんな時尾の言葉を……斎藤は真剣に聞いていた。





「常に鉄砲の雨だ。ここも、危険だ。……お前らは怖くないのか」




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