桜廻る




「諦めるのはまだ早いです!」


「八重、さん……」


「とりあえず、落ち着いて。相談ならいつでも乗りますから……今は休んで下さい」





八重は雅の腕をひいた。


そして、影の中に入り、雅は深呼吸する。





「……ごめんなさい、叩いてしまって」





八重は赤くなった雅の頬を見て、そう呟いた。


少し頭を下げ、しかしすぐに上げる。





「けど、大丈夫ですから。雅さんなら……」





八重は雅の頬を撫でる。




< 289 / 419 >

この作品をシェア

pagetop