桜廻る
それから、会津でも戦は続いた。
しかし……雅はそれどころではない。
土方の事が、頭から離れないのだ。
「雅さん!こっちもお願いします!」
「はい!」
気を紛らわせるように仕事をするが、やはり離れない。
それに……
思い出したのだ。
この時代に来た直前に見た夢。
土方が撃たれた夢を──。
(あれは、夢だから……本当にあるはずがない……)
戦が終われば、会えると。
そう雅は信じていた。
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