桜廻る
そう言って礼をすると、八重が声を上げる。
「もう少し休んだ方がいいんじゃないですか?大丈夫ですか?」
「いえ。まだたくさん、土方さんに頼まれた事がありますので……。これで、失礼します」
何だか曖昧な感じだったが、そんなことはないと、雅は考えを改める。
市村に向かって、雅は慌てて口を開いた。
「あの!ありがとう、ございました」
市村はそんな雅にもう一度会釈し……身支度を整えると、外に出たのだった。