桜廻る
近付いても近付いても……なかなか、その光にたどり着かない。
その途端、光がだんだん大きくなった。
パァッと眩しいくらいに輝き……
光が弾けて、桜の木が現れる。
そして、一枚の桜の花弁が雅に舞い降りてきた。
『その花弁はね……。行き着く所へと舞い降り、永久の幸せに変わるの』
『……えっ?』
見えない誰かに、雅は聞き返した。
『大丈夫よ、貴女なら……』
──幸せになれる。
その言葉を最後に、雅の視界は真っ暗になった。
チリン……と、鈴の音が響いた。