桜廻る




「はい、分かりました」





市村は頷くと、すぐに駆け出した。


驚いて、土方は眉をひそめる。





「おい。誰も今すぐなんて言ってねぇぞ」


「でも出来るだけ早い方が……。それに、これくらいなら、全然大丈夫です」





市村は少し笑みを浮かべながらそう言うと、木の中に紛れていった。




< 317 / 419 >

この作品をシェア

pagetop