桜廻る




ゆったりと船が動く中……


雅は土方の元へ向かっていた。


もう、大分遅い時間だ。


コンコンと扉を叩く。





「誰だ」


「あ……私です」





そう言うと、足音が徐々に近付いてくる。


土方は扉を開け、雅を見ると息をのんだ。





「どうした、こんな時間に」


「いえ、特に用事はないんですけど……」





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