桜廻る




しかし、土方の頼みならば、聞かなければならない。


……どんなものだとしても。





「戦線から、外れろ」





その言葉を耳にした途端、市村の目の前は真っ暗になった。


覚悟をしていた。


この戦で、最後まで戦うんだと。


土方の為に、新選組の為に。


命を捨てても構わないと。





「これは俺が、何日もかけて出した結論だ」


「そんな……副長……」



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