桜廻る
「土方さん!死なないで下さい……っ!」
そう強く願いながら、止血を続ける。
……その時だった。
土方が……僅かに、目を開いた。
「ひ……土方さん……?」
土方は微かに微笑む。
「み……やび……」
「頑張って下さい!負けないで……っ」
「雅……好きだ……」
土方の心臓が、激しく上下する。
土方は、痛みに震える手をゆっくりと動かし、ポケットに入れる。
そして、何かを取り出し……
必死に手当てを続ける雅の手に、それを握らせた。